学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)
そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。
でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。
前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「住友林業のIR情報が面白い! 」についてです。
目次
・はじめに
・住友林業さんの家:高品質でも、とても「お得」です
・決算資料から① ちょっと気になる最新の建築単価
・決算資料から② 住友林業の家が「お得」な理由は?
・決算資料から③ おまけのデータ:住友林業の市場シェア、など
・おわりに 気になるのは、これからどうなるか?ですね…
はじめに
先日の積水ハウスさんの分析に続く住宅系企業のIR資料ご紹介第二弾は、木造住宅のリーディングカンパニー住友林業さんです。
以下内容や使用画像は住友林業さんのIRサイトを参照しています。
・IRサイト https://sfc.jp/information/ir/
・決算説明会資料(2022/8/10) https://sfc.jp/information/ir/settlement/2022-2q_gaiyo.pdf
・ファクトシート(2022/8/10) https://sfc.jp/information/ir/settlement/fact2022-2q.pdf
・統合報告書(2022)
住友林業さんの家:高品質でも、とても「お得」です
住友林業さんの家はちょっと高いイメージがありますが、金額に対して素材や設備がもっと良い、つまり「お得」だという声が多い会社さんでもあります。
私自身も最近家を検討していたのですが、住友林業さんがかなり気に入っていました。理由は、オシャレさや高品質はもちろん、その「お得さ」「リーズナブルさ」も大きな魅力でした。
・住友林業の営業さんより (22年上期なので、これからは少し変わるかもです)
「標準仕様で、一階は挽き板フローリングを入れられますよ。薄いフローリングとは木質感が全然違います。」
「リクシルさんのセラミック天板キッチンも標準で選べますよ」
「ちょっと大きな家になっても、お値段がんばれそうです」
(おそらくですが、他社の営業さんは「最後の最後で、すみりんさんに持っていかれれしまったー!」なんて経験のある方も多そうですね 笑 。)
では、なぜ「いい家」を「お得」に提供できるのか?決算資料から紐解いていきますね。
最初は、「そもそも、住友林業さんの家っていくらなの?」という点から始めますね。そんな時は決算書類を見るのが一番です✨
決算資料から① ちょっと気になる最新の建築単価
2022/8/10に公開された最新決算を見ていきますね。
以下住宅事業決算ページにある「販売金額」に単価が記載されています。最新のお値段は「4040万円」であることが分かります。
・ちょっと脱線①
よく見ると「受注金額:3890万円」に対して「販売金額:4040万円」ですので、インフレ等を含めても受注後にお値段が上がっているようですね。契約後に打ち合わせすると、色々とオプションを付けたくなりますもんね(笑)
・ちょっと脱線②
住宅業界全体の傾向ですが、ここ最近は単価がどんどん上がっています。以下は、決算時に公表される少し詳細なデータ(ファクトブック)ですが、住友林業さんのここ最近の価格推移が公開されています
18年には単価が3360万円だったものの、どんどん高まり、22年12月の予測値は3900万円です。(上記の最新決算結果を見ると、もう少し高くなっても違和感はないですね…)
もう一歩細かいですが、ここ数年で平均坪数が1坪ほど減っていたことも分かります。単価が高くなっていることもあり、家を少しコンパクトにすることで金額影響を賢く抑えた方が増えているようですね。
では、話を戻しまして、本題の「なぜお得に提供できるのか?」という箇所に移りますね。(平均単価約4,000万円を見ると「お得」という言葉が合わない気もしますが、住友林業さん相当に「頑張って」いるんです⇨)
決算資料から② 住友林業の家が「お得」な理由は?
部材のVEなど、様々な企業努力があると思いますが、一つの大きな要因に「想定利益率」と「事業バランス」があると感じています。ちょっと細かいのですが、利益率に関する詳細資料(ファクトブックより)を見ていきますね。
ここ最近の住友林業さんの「住宅・建築事業」の経常利益率を見てみると、例えば前期22年第一四半期は1.0%とかなり低い状況です。逆にいうと、お客様に利益度外視でいい家を提供している、という状況でもあります。
赤字すれすれですので、普通はこの状態を見過ごすことはできません。でも、住友林業さんにとっては、この状態は全く問題ありません。なぜなら、「強い海外事業」を持っているためです。
こちらは、統合報告書ですが、今は経常利益のほとんどを海外事業が稼いていることが分かります。
以下の最新決算資料でも、海外住宅・不動産事業等が業績を牽引し、過去最高の経常利益・当期純利益を達成したとアピールされています。
日本で戸建建設を営む建築会社は材料高騰や円安影響を受けてしまっていますが、海外ビジネスでの高利益とバランスをとることができることが、住友林業さんの大きな強みの一つです。そして、その強みによって、「お得」な家を提供することができています。住友林業さん、強いですね。
決算資料から③ おまけのテーマ:住友林業の市場シェア、等
ちなみに、決算関連資料には、こんなデータも載っているんです。
・住友林業さんの販売棟数と市場シェア:21年は8,347棟・シェア2.92%
・地域別受注棟数構成・営業社員数・展示場数
どちらも、結構面白いですよね。住友林業さんほどの知名度でも、全ての持家建築数の3%ほどしかありません。日本はやはり工務店さんやデザイン事務所さんもしっかりと強いことが見えてきます。
営業さんは1500人ほどで一定ですが、展示場数は18年の291棟から21年の282棟に若干減っています。コロナによって、展示場を活用した営業スタイルが徐々に変化しつつあるといった話もありますが、少し影響がありそうですね。
こういう、ちょっとマニアックなデータ、結構好きなんです。⇦変わっていますよね(笑)
おわりに これからどうなる?
これまでの平均単価の高まりをみると、値段が高くなる傾向はもう少し続きそうですね。そして、以下統合報告書のグラフにある通り、住宅事業では売上の伸び率以上に、経常利益を大きく伸ばす計画です。
おそらく企業努力をされると思いますが、数年後の将来は、お得さがほんの少し減ってしまう(住友林業さんの利益が少し増える)と想定しても、変では無さそうです…
海外ビジネスも上がり下がりがあると思いますので、住友林業さんに家づくりをお願いするならば、今でしょうか…
最後のコメントは完全に個人的な想定ですので、話半分にとらえてくださいね(笑)
少しでも「ヘェ〜」と感じて下さった箇所があったり、「決算資料を読むことって、意外に面白いね」なんて思って下さっていましたら嬉しいです!
今回もありがとうございました。
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