学生の頃に、とある大学の商学部に在籍していました。ビジネスのこと、経済のこと、法律のこと等がとても「面白い」と感じ、楽しく学んでいました。社会人になってからも、重めの経済書や、海外の論文なんかを楽しみながら読んでいます(変わっていますね (^^; 、奥さんからもそう言われます)
そんな私の一つの夢は、今は幼い娘たちが社会人になるような頃に、私が大好きな商学/経済学の魅力をちょっとだけ感じてもらうことです。まあ、たぶん、その夢は叶わないとも感じていますが(笑) お友達とのおしゃべり、彼氏君とのデート、楽しい映画や好きな音楽、そんな中に「経済」が入るイメージが持てないですね。
でも、そんな夢に向けて、今の世の中で起こっている商学や経済学に関係することを、未来の娘たちに語るような感じで説明していこうと思います。難しい言葉はなるべく使わず、そして、「へぇ~、ちょっと面白いかも」なんて思ってくれるような内容になるように、お父さん頑張っていきますね。
前置きが長くなりました。では、今回の話を始めますね。
「日銀の政策決定会合 」についてです。
目次
・はじめに
・日銀の金融政策決定会合って何?
・12月19−20の会合結果が、多くの方を驚かせた
・これからどうなる?
・おわりに
はじめに
最近新聞やテレビで大きく報道された「急速な円高」。その理由は12月19−20に開催された「日銀の金融政策決定会合」での議論結果が、多くの金融市場関係者を驚かせたからでした。原文を見ながら、ちょっとした見どころや意外な楽しさについて、のんびりと解説させてください♪
日銀の金融政策決定会合って何?
日本銀行政策委員会が政策金利などの金融政策について議論し決定する会合です。年に8回、それぞれ2日間開催されます。
「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が年4回(1・4・7・10月)の会合で審議され、公表されています。
(雑談です:こちら、このブログでよく取り上げる米国中央銀行制度FRBやFOMCなどの会合とそっくりですよね。それもそのはず、第二次世界大戦前には政策委員会は無く、1949年にGHQによる役員会の民主化意向で政策委員会が設置されたんです。)
2022年12月の会合結果が、多くの方を驚かせました
日銀の黒田総裁が言い続けていたことは「利上げを行う予定は無い」ということでした。ただ、多くの方がちょっと違和感を感じていました。
・海外の中央銀行が積極的な利上げを進めている中ほぼ日本のみが低金利政策に固執している
・(ちょっとマニアックですが)イールドカーブコントロールのため、10年債を大量に購入して金利を強制的に抑えているが、その他債権(5年や30年など)の利率が上がり、10年物だけが金利が低いという歪な状態となっていた
なので「近い将来に政策が変更されると思うけど、総裁がこれまでキッパリと「利上げはしない、低金利を維持する」と言っているので、さすがに今年政策変更することは無いよね」という見方が多かったんです。
でも、ちょっと意外な(少しズルい?)方法で実質的な「利上げ」を行うことを決めたのが、今月の金融政策決定会合でした。
どんな方法で「実質的な利上げ」を行ったの?
頼りになって、意外に楽しい情報は、やはり一次情報・原文ですので、実際の日銀プレスリリースを見ていきますね。
画像出典元:日銀公式サイト
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/k221220a.pdf
「利上げはしない」という今までのコメントを維持しつつ、実質的に「利上げ」し、イールドカーブの歪みを整えるその方法は「長期金利の変動幅を、従来の±0.25%程度から±0.5%程度に拡大する」という手段でした。
これは、「10年物国際金利について0.5%の利回りでの指値オペ」を毎営業日行うことで、10年物の国際金利を0.5%に抑えることを意味しています。
今まではそれが0.25%でしたので、しっかりと0.25%上がっていますね。
でもこれは、「利上げ」ではなく「許容変動幅を少し広げた」という説明です。まぁ、ちょっと無理がありますよね(笑)
過去の説明内容との整合性が無くては、コメントの重みが薄れ、信頼問題につながるので、致し方なかったといったところだと思います。
(雑談です:堅苦しさの中の、意外な面白さ
ちなみに、この日銀の動きはヘッジファンドの皆様との戦いでもあります。金利を抑えるために、無制限に国際を購入しているのですが、やはりちょっと無理があります。そして、その無理をヘッジファンドがうまく突くと、巨額の利益を得ることができるんです。
今回の攻防は海外ヘッジファンドが大量の国債を売り浴びせましたことでした。そうなると日銀は必要以上に国債を買い続けなくてはならなくなり、22年の購入額が100兆円を超えています。そして、日銀が購入する10年債だけが金利が抑えられているものの、他の債権の利率が上がってしまい、歪な金利環境が出来上がりました。
そうなると、普通の企業や自治体が起債したい時に適切な金利で起債できなくなり、各種不具合や経済停滞を招くリスクが出てきてしまいます。
そのため、一部ヘッジファンドに儲けさせたとしても、イールドカーブ・金利環境を整えることを優先したのが、今回の日銀の対応でした。
「許容限度幅の拡大」という堅苦しいシンプルな言葉の裏側に、意外に楽しい「ドラマ」が隠れていますよね。こんなところが、ちょっと楽しいと感じています。ただ、日銀がヘッジファンドに「負ける」と、損するのは日本国民ですので、ぜひ頑張ってもらいたいところです。)
これからどうなる?
ここは雑談ですので、話半分でお願いします!
・これから日本の金利はどうなる?
気になるのは「これからどうなる?」ですよね。基本的には、やはり日本だけ超低金利を維持し続けることは難しいため、徐々に金融政策を変化させていくことが前提になると考えています。
ただ、その速度は経済への影響を踏まえ、なるべく徐々に上げていくのだろうと思います。(ちなみに、日本は住宅を購入するときに変動金利でローンを組む方が多いため、ここが急激に上昇してしまうと、多くの悲劇を引き起こすという難しい課題があるんです…)
・これから為替はどうなる?
ちょっと面白い点は為替との関係です。今回の「実質的利上げ」で大きく変化したのは為替でしたね。急激な円高となりました。
為替は多くの要素が関わるので予測は難しいのですが(平気で20−30%くらいは変動するもの、といった感覚で為替を見ています。FXに手を出す時は、よくよく考えて下さいね…話を戻します笑 ⇨ )、ここ最近は驚くほど日米金利差で為替変動の説明ができていました。
例えば、こちらのマネックス証券アナリストさんの記事などをご覧ください。
日米金利差が為替変動に影響を与える時期はもう少し続くように思いますので、今後の為替は金利動向を見ていくと良さそうです。そして、先日ご紹介した通り、米国のFOMCにてそろそろ政策金利の上げ幅を抑え始めていて、日本の金利が徐々に上がってくるとなると、今年中旬のような1ドル=150円といった水準ではなく、130円前後かなぁ、といった感覚ではあります。
ま、最初に書いた通り、為替は平気で変動するので、予測するものではなく、変動を見込んでヘッジするものだと考えています。(「為替変動当てました」という方をよく見かける気がするのは、「外しました!」と言う人がいないからです。ご注意くださいね笑)
おわりに
なんだか、完全に雑談になってきましたので、この辺りで終えますね。
どこか一つでも、「ちょっと楽しかった」と言った箇所がありましたら嬉しいです。
今回もありがとうございました!
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